花粉症と眠気

 

「眠気が出ることがありますので注意して下さいね。」薬局でこんな説明を受けたことはありませんか?

 

鼻水鼻づまりが症状として起きた場合、そういった症状を抑える薬が出ることがあります。一般的に「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるアレルギー症状を抑えるものです。

 

これは花粉症や鼻風邪の時に処方される薬に含まれていることが多いです。飲むことで鼻水などが治まることは経験された方ならわかると思います。

 

しかし、冒頭にも書きましたが、これらの薬の中には眠気を引き起こしてしまうことがあるのです。これも経験された方は多いかと思います。眠気が出てしまうと日常生活に支障が出てしまいますね。

 

一方で「眠気?全然感じないよ。いつも通りだったけどな」と感じる方もいらっしゃるのです。これは個人差がある為仕方のないことですが、眠気が起きないなら安心して飲めると思いますよね。

 

ここであまり知られていない事実なのですが、この薬を服用した後は眠気を伴わない判断力の低下が起きていることがあると言われているのです。

 

これを“インペアード・パフォーマンス”(眠気を伴わない判断力の低下)と呼ぶのです。

 

インペアード・パフォーマンスは、自覚しやすい「眠気」とは違い、本人が気づかないうちに生じることがあるため、生活全般のさまざまな場面で影響がでる可能性があるのです。

 

眠気として自覚できる症状は氷山の一角であり、大部分は自覚できていない症状が隠れている可能性が大いにあります。

 

自覚がない為どれくらいの判断力の低下が起きているかわかりにくいので例を挙げます。

 

海外の研究では日本でもよく処方されるお薬の1つを服用したところ、ウィスキーシングル3杯を飲んだ時と同じくらい判断力の低下が起きることが証明されたこともあります。そんな状態で車の運転をしたらどうでしょう?とても怖いですよね。

 

なので眠気がないからといって決して無理をせず、そういった薬剤を服用しているときは自動車運転や高所作業など危険を伴うことは控えた方が望ましいのです。

 

勿論、こういった眠気やインペアード・パフォーマンスが起きにくい薬剤というのも存在しております。もしご自身が日常的に運転をする方、受験勉強で頑張らなければいけない学生さん、仕事に精力的に取り組みたい方などでしたら先生に相談してみてはどうでしょうか。きっとご自身に合ったお薬を処方して下さると思います。